アイ・オー・データー Soundgenicシリーズ、全然流通量が足りないけど思い切って開けちゃった!

PC Audioも新時代突入か!DELA、fidataが築いたミュージックサーバーに価格破壊的Soundgenicシリーズ、アイ・オー・データ機器より登場。しかしこれはどこまで満足できるのか?そしてSoundgenic 2機種が同一機能でなんで倍以上も値段が違うのよ。
わけわからない……とお悩みの貴兄に贈ります。

ということで、今回のテーマは「アイ・オー・データー Soundgenicをいじり倒してみよう」

なんですが、私のお客様からも多くの注文をいただいておりますが、全く納品ができていない状態。こんな時に「実は自分の分は初めっから押さえていました」なんて後でどんな批判を浴びてしまうかも、と思いつつもやっちゃいました。批判を薄めるためにも良い製品レポートを作成します。

さて、この2機種は次の2機種です。

■HDL-RA2HF 2TB HDD搭載 想定販売価格 \ 37,800(消費税込)
■RAHF-S1 1TB SSD搭載 想定販売価格 \ 89,640(消費税込)


外観は両方ともほぼ同じ!のようです。

こちらのサイトにてメーカーの仕様表が確認できます。

(HDL-RA2HF)
http://www.iodata.jp/product/nas/personal/hdl-ra2hf/spec.htm

(RAHF-S1)
http://www.iodata.jp/product/nas/personal/rahf-s1/spec.htm

ご覧のように質量、消費電力以外はほとんど同じようで、「じゃあ同じか?」にならないようにテストしてみましょう。ところで大切なのは使う前だったりするんですよ、みなさん。まずはどうしましょうか。

「しばらくは何もしないでそっと置いておく」

これはこちらで学びました。

AUDIOSTATION第12回試聴会 [レポート] オリオスペックでアナログオーディオフェア またまたアナログレコードをアーカイブする!「Hi-Res Vinyl Playback」

弊社事務所よりClearaudioのレコードプレーヤーをイベント会場オリオスペックさんに運ぶんですが、しばらくは野暮ったい音しか出してくれない。そこで私はレコードの巨匠の発言を思い出すわけですね。

「中谷君、レコードプレーヤーの気持ちになって調整しないと絶対にうまくいかないよ。」

長い旅をしたうえで到着したんだからちょっとは休んでもらいましょう。これから長い付き合いが始まるんだからね。Soundgenicにもユーザーの印象を良くしておかなければ。いい家に買ってもらった、さあがんばるぞ!と思ってくれたらしめしめ。というわけでラックの上で半日置いておきました。Soundgenic君は腕を伸ばして伸びをしました。(大うそ)気持ちの上ではそんな感じかな。

次の仕事です。通電しましょう。しかしすぐに音源を取り込んではいけません。通電だけするのです。なぜなら内部パーツに栄養を与えなければ。特にコンデンサーは電気を大量に食います。コンデンサーがおなか一杯になればほのかにあったかくなってきますので、Sonudgenic君、遊びはここまでだ。これからは働いてもらうよ。

ここからがオモシロイ。いわゆるエージングってやつを実体験してみましょう。音源を取り込みますが、自分のリファレンスになるものを入れます。そしてリピート再生、延々に再生し続けます。アンプ、スピーカーでないので音は出さなくても大丈夫、ミュージックサーバーとネットワークプレーヤーorDAコンバーターがつながっていればOK。まずは最初の音を聴き、数時間後の音を聴き、その日の最後の音を聴き、そのまま電源オフっても継続再生でもいいです。

翌日も同じことの繰り返し。前の日電源を落としていたらスタートに戻っているかも。つけっぱなしにしていたらかなり変わっているはず。電源を落としていても回復は早いはずなのでだんだん良くなります。そしてあくまで私の場合ですが連続再生夜の休みなく5日間やりました。

今回は相手がミュージックサーバーなので一度入れたリファレンス音源を別のフォルダーにもう一度入れてみます。そこでSoundgenic君が未稼働の状態で取り込まれた曲とエージングが進行した状態で取り込まれた曲で比較ができるわけですね。長々とこんな記事にしたので結果は予想つくと思います。これでSoundgenic君はようやくスタートラインに立ったわけです。

まずは音源を取り込みましょう。
Soundgenicはfidataと同じという太っ腹君なので早速e-onkyoのダイレクトダウンロードの設定をしましょう。これは次の手順です。

[1] e-onkyoのメンバー登録をしてください。
https://www.e-onkyo.com/registration/
ここから手続きを踏むとe-onkyoメンバーとなります。

[2] メンバーになったらログインしてください。
https://www.e-onkyo.com/login/

[3] 上の「support」をクリック、次に左側中央の「デバイス」をクリックしてください。

[4] デバイス管理画面が立ち上がります。デバイス認証をクリックすると8桁の数字が表示されます。これを控えておきましょう。

[5] Soundgenicをネットワーク環境に接続しておきます。パソコンより「Magical Finder」を立ち上げてください。Magical Finderは下記のサイトからダウンロードしてください。
http://www.iodata.jp/lib/product/m/3022.htm

[6] Magical Finderを立ち上げると下記のような画面が登場!更新をクリックしてください。

[7] ネットワーク上のアイ・オー・データ機器が表示されます。WEB設定画面を開くをクリックしてください。

[8] トップページよりメディアサーバー設定をクリックしてください。

[9] Twonkyの画面が表示されます。上部のミュージックをクリックしてください。

[10] Twonkyのロゴの下に「e-onkyo」があります。ここをクリックしてダイレクトダウンロード設定で先ほどの8桁の数字を入力してください。なお、もう一つ「mora」もありますね。こちらはIDとpasswordを入力します。

[11] これで設定は完了です。あとはおのおの購入すれば1時間程度で自動的にダウンロードされます。

これでe-onkyo及びmoraのハイレゾ音源は購入すればいつでも再生できるようになるわけですね。

さあ、さあ、聴いてみましょう。手軽なのはUSB-DACに接続しての再生かな?!Soundgenicの背面のUSB-TYPEAの出力とUSB-DACをつなぎます。

Soundgenicの場合USB-TYPEAのポートが2種類あります。端子の中が青いのがUSB3.0、黒がUSB2.0です。どっちがいいかな?

USB DACに接続する場合ほとんどのDACがUSB2.0の仕様になっています。したがってUSB2.0のほうかな?と考えられますが、USB3.0のポートは兼用ですので実際は「どちらでも良い」が正解。ただUSB3.0のほうが電送能力が高いのでUSB3.0のほうが良い結果に結びつくこともあります。ちなみにCDドライブや、USBハードディスクに接続する場合はUSB3.0仕様のものも多々ありますのでその際はUSB3.0を使用しましょう。

音の評価の基準は下記の項目に置いてみたいと思います。

【1】少なくとも貧弱な音になっていないだろうな?

貧弱な音という表現も難しいですが私は貧弱な音が出てきたら「何、チンチロリンの音(鈴虫の鳴き声?)出してんだよ!」と言ってましたね。要はレンジが狭い音ですか。(こっちのほうがわかりやすいかも)

【2】聴感上でわかるノイズっぽい音(シャーとかポツポツとか)が出ているかな?

【3】ハイスペック(PCM384KとかDSD11.2Mとか)の音がちゃんとハイスペックの音になっているかな?

そしてその結果は?

まずはRAHF-S1

【1】については「合格」ですね。ちゃんとしています。
【2】についても「合格」ですね。S/N、ちゃんとしています。
【3】についても「合格」ですね。同一音源のレート差の音の表現はできていますし、ハイ
スペックの情報の多さも良くでています。

次にHDL-RA2HF

【1】については基本的に「合格」なんですが先にRAHF-S1を聴いているだけにちょっと残念な音かな。
【2】についてはこれは「合格」です。ノイズ出てませ-ん。
【3】ここはちょっと厳しい。RAHF-S1を聴いた後だと差が歴然としているのでここの項目をクリアしたい人は黙ってRAHF-S1を選択すべきでしょう。

という価格相応の結果が出てきたわけです。やはり入門モデルということで決して堅牢なケースには入っていません。したがって回転体のハードディスクを装着していると回転時の振動、モーターノイズなどが残念な結果を作っちゃったかもしれません。そうなると高いけどSSDのほうが有利ですね。

こうほめていたらベテラン元祖DELA HA-N1AH20/2がおいでになりました。

ということで比較をするとここも価格相応でHA-N1AH20/2のほうが再生レンジも広く、再生する情報も多いことが判ってしまいました。無難な記事になりましたけど「これ、ほんと!」(佐野浅夫さん風)

したがって選択するDAコンバーターとの質の差で上記モデルを選択されることをお勧めいたします。付け加えますといずれも外部コントロールアプリで再生ができ、ダイレクトリッピング、ダイレクトダウンロードができることは同じです。(正確に説明するとfidataとDELAでは基本仕様が違いますのでここの差はでますが)違いは再生音の差であるということになります。

Soundgenicシリーズは少なくとも手短に始めてみたい方にはうってつけなシステムとなります。ようやく7月には生産も安定してくれるとの噂ですので期待しましょう。

そして早くも入手したあなた、是非このアイテムは必ず使ってみよう!
iFi Audio iPower 12V+Red Barrel Cable

どうしても付属のACアダプターはあまりよろしくない、そこでiFi Audio iPower 12Vは使ってみよう。内部でスイッチング電源特有のノイズを打ち消してクリーンなDC電源を供給します。DC出力のEIAJ4への変換プラグはRed Barrel Cableを使いましょう。違う次元の再生音が楽しめます。

※注意:iPower 12Vは出力電流量が小さいためHDL-RA2HFには使えません。動作してても突如電源が止まる危険があります。そのままHDがお亡くなりになる危険があります。このiPower 12VはRAHF-S1対応ということで使用してください。

さあ、デジタルファイル再生の世界へようこそ!!!!

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