DELA CDドライブD10、D100発売
遂に発売、オーディオグレードCDドライブがDELAより
早速D10、D100を試す機会がやってきました!!!(ワクワク)
CDはかれこれ30年以上音楽再生になくてはならないものとして君臨してきました。それもまだコンピューターだのデジタルだのがない日本では昭和の時代からです。PCMだのビットレートだのわからん説明をされて、ここにはレコードと違ってデジタル信号が書き込まれているなんて訳が分からない!それだけ音楽の世界は進んでいたんですよ。音楽再生の中核をなしてきたということはそれだけ完成度が高いということ。そして何万種類(何十万?何百万?)のコンテンツが世の中に出回ったわけですね。CDプレーヤーの雲行きが怪しくなっている昨今、CDリッピングというのは必要に迫られているのです。
しかし、オーディオグレードのCDリッピング用ドライブがこの世になかった!!その陰でラトックシステムはバルクのCDドライブを入れるケースを作って大ヒット、バルクのCDドライブもパイオニアはCDリッピングに最適、と謳った「BDR-S11J-X」というモデルを発売してこちらも大ヒット、またラトックシステムもケースのグレードを上げて剛性の高い「RP-EC5-U3AI」を発売。ラトックシステムの力の入り具合からすると相当売れているようです。このように水面下ではいろいろ高音質リッピングのためのCDドライブというのは存在し、かく言う私も上記2システムを組んでいろいろ手をこまねいたオリジナルCDドライブを作っていたのでした。
しかし、大抵はパソコンに装備されているものや、PCサプライのドライブを使用せざるを得ないわけでCDリッピングはあまり音が良くないとあきらめていた方が多いのでは?DELAもCDドライブを接続すればそのままCDリッピングができます、としているのにそのドライブがない、といただけない状況だったわけですね。
しかし、しかし、しかし、何の予告もなくついに登場するのでした。2月の7日にこのお知らせがメルコシンクレッツより送られました。
な、な、な、なんと!すぐに担当者に重箱の隅をつつきまくった質問をするとプロトサンプルを貸し出してくれるそうではないですか。
前置きが無駄に長くなってしましましたがこれからが本文「D10」「D100」をテストする、になるわけです。前置きの文章にも触れましたが今まで自作のCDドライブを使用していましたのでこれと直接対決!にと、これは楽しみ、楽しみ。(ワクワク)
さあ、荷物が到着。
思ったよりデカイ。
さあ、開封。
さすが、プロトタイプ。しっかり梱包されているわ。さあ、並べてみましょう。
冷たい、冷たい、この季節は金属品はキンキンに冷えてる。だから、でなく、CDドライブを使用するときは必ず十分なウォームアップをしましょう。大体機械ものはそうなんですけどね。試しリッピングをしちゃうとリッピング終了すると終わっちゃうんでPCにつないで iTuneでCD再生をリピートかけておいておきましょう。
あ、並べちゃったらどっちがD10かD100だかわからない。プロトだから銘板もついてないじゃん。
えっと、D10のほうが重いはずだから多分サイドパネルがグレーのほうがD10かな。恥ずかしいけど電話して聞いてみよう。ついでにUSB TYPE Aの出力についても聞いておこう。
■メーカー回答→「D100は2面アルミ筐体なのでD10より軽くなります。D10は5面アルミ筐体です。」
D100はサイドはアルミでないということで黒い方がD100でした。予想どおり。つぎにTYPE Aについては何かよくわからなかったのであとで確認しよっと。なお、電源入らない事件はみっともないので割愛させていただきました。
それではD10、D100の外観を見ていただきましょう。
まずはD10
そしてD100です。
外観はいずれもすっきりデザインで変に自己主張しないコンポハーフサイズです。
ラックに収めてもこんな感じで違和感なし。
リッピングのシステムはこの通りです。
リッピングソフトはdb Powerampを使用します。R16.2 Apple OS版です。
Macはmini で OSは High Sierra 10.13.3、 ディスプレイノイズ対策でbookタイプは避けています。
その上HDMIケーブル、Macやディスプレイの電源ケーブルにはKRYNA Helica1を使用してより高周波ノイズを除去します。リッピングされたデジタルソースはそのままDELA HA-N1AH40/2に送られ、保管されます。一昔前ではNASに書き込まれた音源は一度再起動しないとコントロールポイントから操作できなかったのがいつの間にか何もしなくても認識できるようになりました。
さてさて、勝負開始。まずはオリジナルのパイオニア-ラトック合同軍改のリッピングから。
11枚のリファレンスディスクをスムーズにこなしていきます。1枚平均4分ぐらいかな。このペースで出来れば今日中に全て終わる。
次はDELA D100,D10と進みますがこちらの特徴をまとめてみます。
- オーディオユースに向けた専用の筐体を採用。特にD10は全面アルミニウム削り出し筐体。D100は天板と底板にアルミニウム削り出し板を使用。
- ブルーレイライターベースのドライブを搭載。D100とD10ではモデルが違うようです。
- ファンレスにし、ファンノイズと振動は除去されています。(注)ファンレスにしたためブルーレイディスクへの書き込み作業は放熱が大きくなるのでトラブルが発生する恐れがあります。やらないでください。
- D100とD10はサイズは全く同じです。
- メカ部が独立して筐体に搭載されているのでメカノイズは極端に小さくなります。これがメーカー製である一番の強みです。
- リッピング時間はパイオニア-ラトック合同軍改と比較すると非常に長くなります。まずはディスクを挿入してからのモーター音がいきなり高速になってはいないようなのでサーボによるコントロールを最小限にしている感じです。db Powerampは読み込み速度はコントロールしないようになっていますので程度の良いディスクの場合は非常に早く終わります。ところが同じdb Powerampを使用してもだいたい10分強になりますのでドライブ側で回転数を制限しているのでは。そうすればここでもサーボによる負荷が軽減できますので機器的にも負荷なく、その分ノイズ、振動の発生自体を抑えることができるかもしれません。(この項はあくまでも推測です)
- 電源は付属のACアダプターを使用したDC12Vの入力です。
- 出力のUSBは3.0になります。これはパイオニア-ラトック合同軍改も同じです。
- D100とD10では価格差が16万円にもなります。筐体、ドライブは違いますが多分他にも代えているところはあると思われますがいまのところ不明です。開けていないのでわかりません。
ざっとまとめるとこんなところです。トレイの開閉音はたぶんドライブに使用されているものをそのまま使っているのでしょう、ちょっとしょぼい。(どこかで聞いたことがあるな)
で、D100、D10のリッピングといくわけですが先に説明した通り時間はパイオニア-ラトック合同軍改で慣れているとめちゃくちゃかかる印象です。
結果、D100のリッピングで本日はギブアップ!せっかくだからD10は一晩まわしっぱなしにしておこう!
さてさて、翌日リッピング大会再開。今日は逆に時間がかかることを想定し確定申告の事務仕事をしながらやってやろう。こうやって始めっから構えているとそうも苦も無くリファレンスディスク11枚、リッピング完了。
さあ、さあ、比較試聴の時間です。
これが表現するのが非常に難しいのですが明らかにパイオニア-ラトック合同軍改<D100<D10ですわ。若干ながら細かい描写、定位感、ダイナミックレンジ、など比較要素全てにおいてちょっと上かな?!という感じでした。例えるならばスキージャンプ女子ピョンチャンオリンピック2本目TOP3、
高梨沙羅103.5m飛んでその段階でトップ、表彰台決定、しかしAlthaus 106mでトップを取り返す、最後Lundby 110mで金メダル!3選手ともベストを尽くした素晴らしいジャンプでしたが表彰台はこの順番になりました、という感じですかね。残念ながら3位のパイオニア-ラトック合同軍改ですが、リッピング速度では断トツの速さなのでこちらも捨てがたい。
というわけで優勝したD10とは3日後にはお別れしなければいけないのでせっかくだからできる限り使わさせていただきましょうか。仕事を終えた夜は傷だらけの程度が悪いディスクで一晩精一杯reripしていただきましょう。
やるにやりました64枚、D10完全フル稼働でしたね。結果をBGMに、要するにこの記事をまとめていかなければいけないので、またパソコンとにらめっこ。数字を追っているわけでもないのでちょっと大きめで再生。むむむ、何か音が気になる。
聴いてるのはこういう状況ですが、ついつい後ろが、いつもと出音が違うぞ。
なんか濃い、気になってしょうがない。原稿が進まない。なんか変だな。
ネコ復活させたからかな。そんなわけないだろう。
というわけで真剣にリスニングポジションで聴くと、いや、まいりました。とにかく音が充実していて1つ1つ明確、かつ、つながりも良く。3次元的な空間表現も申し分ない。
この瞬間限定数が29台になってしまいました。
丸4日間フル稼働でエージングが良い具合に進行したようでD10の正体が現れたようです。いやいや、CDリッピングは良いですよ。素材は手元にあるわけだし。何らかの形で大抵聴いているから化け具合も感動的で。発売は3月中旬ということでまたお楽しみが、デジ研などでもご紹介できそうですね。
ここでチューンパワーアップ情報!D10、D100の電源入力は先にご紹介していますACアダプター経由のDC入力です。これはなかなかグレードアップが難しいけど何とかしたいところ。FIDELIXという日本のメーカーがリニア電源を色々出しているんですが、気になる方は調べてみよう。もっと手短なものとしてはiFi AudioのiPower 12VというACアダプター。
内部でキャンセリング方式でノイズを除去するということで、今回はこれを使用しています。ありなしの比較もしていますがiPower 12Vを使用したほうが大きく力感上がりますね。
もう一つ、このドライブはUSB3.0出力になっています。オーディオ関連はUSB3.0を採用しているものが非常に少なく選択肢に上がらない場合が多いのですが、2.0とどっちがいいか試してみましょう。USB2.0代表は秋葉原ケーブル名人中村さんの作品、対してUSB3.0は付属の簡単なケーブル(安そう)
これがUSB3.0に軍配が上がるんですね。出力が3.0でMacの入力も3.0ですからケーブルのクオリティより電送条件が勝るようで。と、なるとUSB3.0のいいやつを探さなくては。またiFi Audio、出してましたね。アコリバ方式のGEMINIと同一線上ながら分離してシールドしているMERCURY。USB3.0のケーブルはあとはWireworldぐらいしかなく、こちらも手ごろな長さは完了みたいで。じゃ、MERCURYを使ってみるかな。
いや、久々にリッピング魂に火がついてしまいました。これを読んでいただきました皆さまも是非やってみてください。自分で作業したものがコントロールアプリでアートワークが表示されて、そして再生するときのワクワク感ときたら….
なお、これを機会に超マニアックにリッピング道を極める記事も書いてみたくなりました。こちらも確定申告が終わりましたら取り掛かってみるかな!
お楽しみに。