AUDIOSTATION第4回試聴会 [レポート] 「あなたのPC Audio、満足していますか?」
AUDIOSTATION第4回試聴会レポート
日時:9月24日(土)14:00~16:00
オーディオスクエア相模原店にて、PC Audioの世界に喝を入れられるか!
「あなたのPC Audio、満足していますか?」
前置きがこんな文章になっていました。
ハイレゾブーム以降パソコンによるオーディオ再生が一般化しました。しかし再生音に満足していますか?パソコンはオーディオ機器ではないのでいろいろ工夫を加えないとせっかくの高音質音源が活きてきません。今回は原点に返りどうすればPC Audioのクオリティアップが可能になるか、いろいろ実験しながら考えていきたいと思っています。また、現在最強の音源と考えられるアナログレコードデジタルハイサンプリング化もトライしてみます。
こんなこと書きましたが、元は今から2年前ハイレゾという言葉が流行りNHKの朝のニュースで特集が組まれて、これからはハイレゾ?という雰囲気になったところ、業界内ではハイレゾよりCDのほうが音がいいんじゃないの?という発言が聞かれるようになり、その都度「あなたの勉強が足りません」とついつい言ってしまったことから「こういう試聴会をやりたい!と常々考えていたのでした。
そして会場はこちら。
今年創業10周年を迎えます。おめでとうございます!!!!
その記念試聴会もやるのですが、その前哨戦で今回があるわけですね。いろいろ長い年月積もるものもありますのですこぶる気合も入ります。
さて、本日の機材です。例によってフロントはスピーカーとパワーアンプです。
スピーカー:FOSTEX G1003MG
振動板はすべて純マグネシウム。上から下まで同一素材でバランス抜群。FOSTEXらしい2種の合板でエンクロージャー強度最高。わずか10cmのウーファーでもHR構造でこちらも強度抜群。低域がガンガン出ます。
パワーアンプ:B.M.C. CS2
ドイツのB.M.C. 剛性抜群のキャビネットの中はキャパシタが超大量。送り出しの電流量が安定し、瞬発力抜群。特大トロイダルトランスで元から電源部は安定しており、どんなスピーカーもガンガン鳴らすぞ。という個人的お気に入りですね。
スピーカーの下には必ずボードを置くのも必須です。FOSTEXの場合はオプションのオーディオボードの出来が良いので是非これを使いましょう。縦向きと横向きでは繊維の方向が違うので音が変わります。
アンプにもボードを引きましょう。これは特大トロイダルトランスの振動を制御する目的、キャビネットの剛性は高いものの振動はトランス以外もしますので、密度の高いものの上でこちらも制御。
さて、スピーカーのセッティングですがこれも音源のクオリティを表現するためにはミリ単位の調整が必要。お客さんがたくさん入るからどっちにしろピンポイントの焦点を合わす必要はない、なんて大ウソ!焦点が合っていればどこに座ってもステレオフォニックが楽しめます。こつはまたなんかの機会に書きますわね。
サイドにはまた物がたくさんある。今回はwindows、Mac Book Pro、Mac Miniとパソコン3機種そろい踏み。この写真にMac Miniがまたあります。
プリアンプはパワーと同じB.M.C.のDAC1PREHRで内部電送を電圧、電流と選ぶことができる変わり者。電流電送はスピーディーな音が出せます。DAコンバーターはもともとはこれもB.M.C.のPURE DAC2にしようかとおもっていたところに本邦初公開のDIDIT AUDIO DAC212SEなんてものが用意できました。切り替えながらと思っていたけど結局DIDITのみの使用となりました。
小型ながらアルミブロック削り出しの高級感。ハイスペック、と最新鋭の内容。しかし価格は抑えめ \ 450,000と期待が高まります。
そしてストレージはBuffalo/DELAのHA-N1AH20。来月のイベントではちょうど発売されたばかりの新旧聞き比べをやりましよう。今回はDELAによるPCレスファイル再生が度肝を抜くか!
また、調子に乗ってレコードもやっちゃおう。
プレーヤーはHanss T-30
当然、ADコンバーターでM2Tech JOPLIN MK2でアーカイブ目標。こうなるとまたレコードを大量に持ってきてしまうのでした。
そして準備は閉店まで頑張ってかなりいい感じに仕上がったかなぁ。明日が楽しみ!
***
そして試聴会当日となりました。
普通はエージングして時を待つ、となるのですが、PC Audioの場合はプレイリストを組んだり、パソコン切り替え時にスムーズにいくように何度もリハをやる必要があり、っと結構大変。店の方に椅子を並べていただき、試聴会前の緊張感が漂います。
店内は明るい雰囲気でお客さんを待ちます。
さて、開始30分前ぐらいから売り場がにぎやかになってきまして、急の雨にもかかわらず多くのお客さんがいらっしゃっているようです。10分前に開場、開始前に用意した12席はすべて埋まりました。イベント担当梶本さんに挨拶をしていただき、恥ずかしながら私を紹介していただき、さぁ説明に入ります。
[テーマ1]あまり話題にならないけどwindowsとMacでは再生音に違いがあるのだろうか?
windows:VAIO SVF152C1JN OS: windows8.1 再生ソフト:foobar2000
VS
Mac:Mac Book Pro OS:OS10 Yosemite 再生ソフト:Audirvana
「あまり話題にならないけど」はいやみです。展示会等々でメーカーの再生が未だwindowsノートというのを多々見かけますのでつい書いてしまいました。これだけのシステムですからwindowsで再生して「悪い」という印象にはならないでしょう。しかし、Mac Book PROと比較すると……
結構違いますね。どう違うかは文章にするのは難しい。気になる方は是非試聴会で聴きに来てください。
[テーマ2]もっと話題にならないけれどMac Book ProとMac Miniでは再生音に違いがあるのだろうか?
Mac Book Pro OS:OS10 Yosemite 再生ソフト:Audirvana
VS
Mac Mini OS:OS10 Yosemite 再生ソフト:Audirvana
これは同じMacで、Mac BookとMac Miniの違いを追うわけです。見た目で一番違うのはディスプレイが一体か、別か、ということ。液晶ディスプレイは高周波ノイズを大量に放出しているようですね。また、Mac Miniにはバッテリーは内蔵されていません。こういったことでどうなるか聞いてみるわけで、これもずいぶんと違うもんですね。(答えは書かない)
これでPC Audioの高音質化に欠かせないのは高周波ノイズ対策であることが大変よくわかったと思います。
[テーマ3]パソコンを使用しないでハイレゾを再生することができるのであろうか?
ここでは国内PCサプライメーカー最大手「バッファロー」から発売されているオーディオ用NAS「DELA」を詳しく紹介いたします。いろいろ画期的な機能があるのですが、「テーマ2」の延長で行きますとパソコンはオーディオ機器ではない、のでこのDELAだったらどうなるか、ということです。オーディオ用NASは音楽を再生するためのものなので、やはりいろいろな対策が施されているわけですね。比較試聴にて理解いただけたかと思います。
まずはMac Miniで再生、そしてDELA。ここではDELAのバージョンアップで搭載されたUSB-DAC接続機能を利用、PCにつながっていたUSBケーブルをDELAのEXPANSIONポートに接続すれば、すぐに再生ができるようになりました。コントロールはLINNのKinskyを使用。待ち時間もほとんどなくすぐに比較できたので結果もわかりやすかったかな。
加えてダイレクトダウンロード機能を説明。これはe-onkyo等の配信サイトから購入したものが直接DELAにダウンロードされるものです。方法はe-onkyoのデバイス管理よりデバイス認証キーを本体に入力するだけです。あとはほっとくと勝手に入れてくれます。ここではパソコンにダウンロードし、DELAに読み込ませたものと、ダイレクトダウンロードのものを比較、PCを経由しただけでこうなるのか、と大変よくわかる結果となりました。
ということはここ重要です。
コピーされた音源は音質が悪くなっているということ。
「ハイレゾの音ってあまり良くないな」と思っていた人、原因はよくわかりましたね。再生方法もいろいろ工夫する必要がありますが、まずは音源が純粋なものでないとね。
[テーマ4]アナログレコードの音源をパソコンファイルにすることができるのであろうか?
アナログレコードがブームと呼ばれていますがファイル化する過程をM2TECH JOPLIN MK2を使用して最強の音源にトライします。ここのところの私の試聴会の定番です。まずはレコードにカッティングされている音を聴いてみましょう。JOPLIN MK2を「FLAT」にします。そうするとシャキシャキの音が出てきますね。
つまり、レコード溝には低音は刻まれていないのです。なぜなら溝に入れられないから。入れたらこんな大きさの溝にならないのです。従ってカッティングする前に低音を減衰させて、高音を強めに入れるのです。今度は再生時に逆のことをし、元に戻すわけです。これがフォノイコライザーの原理です。
しかし、これの方式が統一されたのは1954年のRIAAカーブが設定されたときでそれまでは各レーベルでバラバラでした。どのようにイコライジングされているのかは公にされることなく、リスナーが違和感を感じるときは当時のアンプに常設されていたトーンコントロールで調整する必要がありました。ところがM2TECHのJOPLIN MK2にはレーベルごとのイコライザーカーブがプリセットされておりそのレーベルに合わせればたぶんオリジナルイコライザイングの音が聴けるという画期的なものです。ここではTerri Gibbsのビッグバンドを聴きながら「FLAT」からいろいろなイコライザーカーブを試してみました。
イコライザーカーブをいじるといろいろ雰囲気が変わります。ところがこのアルバムは1990年にプレスされたものです。ということは当然RIAAカーブかと思われるのですが、RIAAカーブにこだわらないほうがいいみたいですね。そこで事前にチェックしておいたイコライジングカーブで何曲か聴いてみましょう。
ということで今ひそかなブームのアナログレコードもデジタル処理をすることでまた、次元の違う音を体験できるというわけです。
いや、これはいつやっても楽しいですね。
そして、翌月にはオーディオスクエア相模原店10周年イベントが計画されていますが、その中でも今回の続編をやりますので、今回聴けなかった方は是非ともご参加ください。とは言うもののこの記事が10月26日に出来上がりましたので明々後日ということになりますね。ご覧になった方は是非とも!
[LINK] AUDIOSTATION第6回試聴会 [予告] ノジマオーディオスクエア相模原店「PCオーディオは音源が命」
(今回レポートしたイベントは下記概要にて開催されました)
日時:2016年9月24日(土) 14:00~16:00
会場:神奈川県相模原市横山1-1-1 ノジマ相模原店内
オーディオスクエア相模原店
0427-30-1326
http://online.nojima.co.jp/ec/shop/2/info/
使用機材
SPEAKER:FOSTEX G1003
PRE Amplifier:B.M.C. DAC1PRE HR
Power Amplifier:B.M.C. CS2
DA Converter:B.M.C. PURE DAC2
AD Converter:M2TECH JOPLIN MK2
Record Player:Hanss Acoustic T-30