AUDIOSTATION オリジナル製品を始めることにしました。その2
じゃあ、使ってみましょう。
その1からの続きです。まずは光ケーブルによる伝送の特徴を整理しましょう。
「利点」
光ケーブルを使用することでデジタルノイズを遮断することが出来る。
「弱点」
LANの伝送を1度光に変換、そして再びLANに戻すので変換による「色」がつくこと。
この2点を理解すればどういったところで使用したほうがいいのかはわかりやすくなります。目的は「デジタルノイズの遮断」です。ネットワークオーディオではどうしてもオーディオ機器以外のものを使用することになります。となると、その部分との接続を光ケーブルを使用することが有効です。
1、ルーターとハブ(スイッチ)の伝送
ルーターはネットワークの入り口で重要です。しかしオーディオ用といえるものは非常に少なく現実的でないですね。ルーターには分配の機能もありますが、分配に関しては、この際だからハブ(スイッチ)を併用するようにしましょう。一般的に「ハブ」の名称を使うことが多いですが、
ハブ→単に分配機能のみ
スイッチ→電気的に処理したもの
と、違いがあり、現在の機器としては「スイッチ」に相当するものが大半です。したがって、この後からは「スイッチ」と呼ぶようにします。
ルーターの出力からLANケーブルでメディアコンバーターに接続、SFPモジュールを介して光ケーブルを出力させます。光ケーブルはスイッチに接続することになりますがスイッチ側にSFPポートが内蔵されていればそのままSFPモジュールを接続できます。(バッファロー BS-GS2016/AやDELA S100など)
SFPポートがない場合は再びメディアコンバーターを介してスイッチにLANケーブルを接続します。
さて、効果のほどは?
私はまずこれをやってびっくりしちゃったわけです。もともとルーターはノイズ源なんだろうなぁ、と思っていたもののどうしたらいいかわからない。ちょっと前にKRYNAのHELCA-1を使用してLANケーブルに巻いて「やっぱりルーターノイズ対策は必須だ!」と感じました。そして光ケーブルの効果はこれを超えることになります。
したがってまずはルーターとスイッチとの接続を光ケーブルに変えてやってみましょう。
2、ネットワークにパソコンを接続している方(私も)、パソコンとスイッチの伝送
パソコンもオリオスペックさんでPCオーディオ専用を販売していますが一般的にはwindowsなりMacなりを使用します。したがってパソコン自体のデジタルノイズ対策というのは基本的に無縁で、結果的にノイズ対策アクセサリーが沢山あるわけです。パソコン本体がそうですが、ディスプレイのノイズも結構強烈でここは何かやりたいところ。
そこで登場、光ケーブルです。
パソコンのRJ45ポートからLANケーブルを出力、メディアコンバーターに接続します。あとの手順はルータとの接続と同じようにメディアコンバーターにSFPモジュールを介して光ケーブルを出力させます。スイッチとの接続も前述のとおりです。スイッチ内蔵型はSFPモジュールを直接接続します。ない場合はこちら側でもメディコンバーターを使用します。
昨今サブスクリプションストリーミングが普及し、パソコンでコントロールをしている方には朗報になると思います。また、パソコンにroonコアの設定をしている方にも朗報でしょう。是非試していただきたいお勧めの接続になります。
3、他はどうかな?
ネットワークオーディオではネットワークプレーヤー(レンダラー)、NASとシステムがからんでいきます。こういったものは使用機器がいろいろありますので一概に効果については特定できないかな?
光ケーブルを使用する基本的な考え方は「デジタルノイズ対策」ということになります。ネットワークプレーヤーやNASについてはオーディオ用として設計されています。ノイズ対策自体施されているか、と考えると光伝送で「ノイズ対策vs変換の色」の対決となりますか。ここは使用して比較し、好みの音に収まるかどうか、判断いただけるといいと思います。
対して、最近は積極的にSFPポートを装着したネットワークプレーヤが発売されています。SFORZATOは新型のLAN入力はSFPポートとなっています。
私もDSP-doradoは使用しています。旧タイプより新型にバージョンアップしてもらって入力がSFPポートとなりました。前述の理論でいくとノイズ対策を施すと変換による色が目立つのでは?と仮説しました。
さて、どうなるか?
結論:SFPポートへ光伝送入力することでS/N感は向上、結果エネルギー感も向上しました。システム的に考えられたSFP-光伝送入力は優れたものとなるという感想です。LINN 新型Klimax DSMやSoulnote Z-3にはデジタル入力でSFPポートが装備されています。またこれから発売予定のIO Data fidata新型にもSFPポートが搭載予定とのこと。総合的に設計されているものは是非試してみたいですね。
というわけで使い方、いろいろですがまずは是非ルーターとスイッチ間にて光伝送を試してみてください。
さて、このやり方は正直オーディオ用というものでないのでいろいろ初めての用語が登場します。そこを「その3、光伝送における規格と用語」で説明していきましょう。